悩んだ様子でベッドに寝転がる女性
  • 作成日:2021.06.21
  • 更新日:2021.06.21

生理前にイライラするのはなぜ?精神的な変化の原因や対処法について

生理前になるとイライラしたり、悲しい気分になったりすることがありますよね。また、眠気を感じたり、食欲が増したり、むくみが気になったり、生理前には様々な変化を感じることが多いです。このような生理前の精神的・身体的な症状を「月経前症候群(PMS, Premenstrual Syndrome)」と呼びます。そして、特に精神的な症状が重い場合は「月経前不快気分障害(PMDD, Premenstrual Dysphoric Disorder)」と呼びます。この記事では、これらの原因や対処法について詳しく解説します。

この記事の監修医師

産婦人科クリニック 広尾レディース院長 宗田 聡

産婦人科クリニック 広尾レディース院長
宗田 聡

ストレスを感じている様子の女性

生理前にイライラしてしまう原因

多くの人が悩む「月経前症候群(PMS)」

生理前にイライラしたり、悲しくなったり、精神的な変化を感じる人は少なくありません。また精神的な変化だけでなく、眠気や胸のはり、頭痛など身体的な変化や不調を感じる人もいます。このように生理前に精神的・身体的症状が現れることを「月経前症候群(PMS)」と呼びます。

生理予定日の3〜10日前頃から症状が現れ、生理がはじまると症状がおさまるのが特徴です。生理のある女性の約70~80%程度の方が生理前に何かしらの症状を感じていると言われています。日常生活に大きな影響がなければセルフケアで対処できるかもしれませんが、もし生活に困難を感じるようであれば婦人科に相談することをお勧めします。

女性ホルモンの変化やストレスなどが原因

月経前症候群(PMS)の原因は生理周期にあわせた女性ホルモンの変化が主な原因ではないかと考えられています。

生理予定日の2週間ぐらい前のタイミングで排卵が起こり、それから次の生理がくるまでの間にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)と呼ばれる二つの女性ホルモンのバランスが変化します。

この変化によって脳内のホルモンや神経伝達物質の異常が引き起こされることが、月経前症候群(PMS)の原因と考えられています。

ただし、脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響も受けるため、女性ホルモンの変化だけが原因ではなく、その他の多くの要因から起こるといわれています。

年齢やライフスタイルの変化が影響することもある

初潮を迎えてから閉経するまでの間に、女性ホルモンの分泌量は変化します。また、転校や転職、出産などを機に生活環境が大きく変化し、ストレスを感じてホルモンバランスが乱れることもあります。

このような年齢やライフスタイルの変化によって、月経前症候群(PMS)の症状の程度が重くなったり軽くなったり変化することもあります。

ペンとノート

月経前症候群(PMS)のさまざまな症状

月経前症候群(PMS)の症状は、大きく「身体的な症状」と「精神的な症状」に分けられます。生理前に現れる症状やその程度には個人差があります。

<身体的な症状>

  • 乳房の張りや痛み
  • 腹部の張り
  • 頭痛
  • 関節痛
  • 手足のむくみ
  • 体重の増加
  • 疲労感
  • 肌荒れ

など

<精神的な症状>

  • 情緒不安定になる
  • イライラする
  • 悲しくなる
  • 涙もろくなる
  • 抑うつ状態になる
  • 怒りが爆発する
  • 不安を感じる
  • 集中力が低下する
  • 眠気や睡眠障害
  • 食欲が増える、または減る

など

指示棒と本を持つ女性

イライラ対策につながるセルフケア

生活習慣の改善

月経前症候群(PMS)への対処法として、まずは規則正しい生活を心がけましょう。夜更かしをせずに十分な睡眠を取ること、きちんと食事をとること、適度な運動をすることを心がけましょう。また、カフェインアルコールの摂りすぎには注意し、喫煙は控えるようにしましょう。

ストレスを抱え込まないように工夫することも大切です。ストレスにつながる働き方や人間関係を変えてみる、気分をリフレッシュできるような趣味に打ち込むなど、ストレス解消につながる工夫してみましょう。

食事についての注意点

栄養バランスの良い食事は基本ですが、カルシウム ・マグネシウム・ビタミンB6の摂取は月経前症候群(PMS)の症状緩和に効果があると考えられています。

・カルシウム

牛乳やチーズなどの乳製品、干しエビやイワシなどの魚介類、納豆や豆腐などの大豆製品にも豊富に含まれます。

・マグネシウム

さまざまな食材に含まれますが、ワカメや昆布などの海藻類には豊富に含まれますし、おやつに選ぶならアーモンドやカシューナッツもおすすめです。また納豆や豆腐などの大豆製品はマグネシウムに加えてカルシウムも豊富に摂取できるためおすすめです。

・ビタミンB6

こちらもさまざまな食材に含まれますが、鶏肉や豚肉、カツオやマグロ、バナナなどに豊富に含まれています。

ペンと何も書かれていないノート

記録をつけてリズムを知ろう

日記のように症状の記録をつけてみましょう。そうすると精神的・身体的な変化のリズムを把握できるようになり、月経前症候群(PMS)の症状に対処しやすくなります。

リズムを把握できるようになると、イライラしたり悲しくなったときに、それを「自分の性格」と考えるのではなく、「生理前だから、PMSのせいだな」と理解できるようになります。それだけでも精神的な負担が軽くなりますし、生理前の変化とも上手く付き合っていけるようになるかもしれません。

症状の記録は、記録機能がある生理管理アプリを使うと便利です。例えば生理管理アプリの「ケアミー」は生理周期に合わせて起こる精神的・身体的な変化をボタンとタップするだけで細かく記録することができます。

生理管理アプリの症状を記録できる画面

記録した内容はカレンダーで振り返ることもできるので、生理前のいつからいつまで、どんな症状があったのか、自分のリズムを把握できるようになります。

産婦人科医監修のケアミーはアプリ容量が軽く、会員登録なしで使いはじめられます。広告表示もなくシンプルで使いやすいので、ぜひ一度お試しください。

医師が女性に問診をする様子

婦人科に相談してみよう

特に精神的な症状が重い場合

ご紹介したようなセルフケアを試してみても月経前症候群(PMS)に悩まされるようであれば婦人科に相談してください。特に精神的な症状が重い場合は、「月経前不快気分障害(PMDD)」の可能性もあります。

月経前症候群(PMS)は身体的な症状と精神的な症状に分けられますが、精神的な症状の方が重く、学校や職場など、社会生活を送るのに明らかに支障が出てしまうような状態を「月経前不快気分障害(PMDD)」と呼びます。

「月経前不快気分障害(PMDD)」は生理前のイライラがひどかったり、悲しくて涙が出たり、強い自己否定感などを感じたりしてしまうような状態です。毎月のようにそのような状態になるのはとても辛いはずです。この場合、婦人科ではなく精神科でしっかりと治療をする必要がありますので、早めに受診するようにしましょう。

どうやって治療するの?

治療法は症状によって様々です。女性ホルモンの配合剤である低用量ピルや、精神的な症状が重い場合には、精神安定剤や抗うつ薬などが処方されることもあります。また、漢方薬による治療をすることもあります。

「低用量ピル」と聞くと避妊薬のイメージが強い方もいるかもしれませんが、実は月経前症候群(PMS)の治療にも使用されます。低用量ピルを服用すると排卵が抑制されるため、女性ホルモンの変化も抑えられます。そのため、月経前症候群(PMS)の症状の緩和も期待できます。

以上、この記事では生理前にイライラしてしまう理由として月経前症候群(PMS)について解説しました。また、特に精神的な症状が重い月経前不快気分障害(PMDD)についても紹介しました。生理前の精神的・身体的な不調で悩む方は多いのですが、セルフケアで解決しないときは気軽に婦人科に相談してくださいね。

参考文献

この記事の監修医師

産婦人科クリニック
              広尾レディース院長 宗田 聡

産婦人科クリニック
広尾レディース院長
宗田 聡

資格
医学博士
日本産科婦人科学会認定医・指導医
日本医師会認定産業医
経歴

1988年

筑波大学医学部卒業

1996年

筑波大学講師(臨床・研究・教育に従事)

1999年

Tufts大学(ボストン)遺伝医学特別研究員

2004年

水戸済生会総合病院産婦人科部長
茨城県周産期センター長(筑波大学産婦人科臨床准教授兼任)

2012年

広尾レディース開院

現在

広尾レディース院長
東京慈恵会医科大学講師(非常勤)
茨城県立医療大学客員教授

役職
日本周産期メンタルヘルス学会 評議員
日本産科婦人科遺伝診療学会 代議員
東京産科婦人科学会 代議員
東京産婦人科医会 代議員
所属
日本産科婦人科学会
日本周産期・新生児学会
国際出生前診断(ISPD)学会
米国臨床遺伝・ゲノム学会

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