生理周期が短く1ヶ月に2、3回も生理が来ると心配になるかもしれません。また、2ヶ月に一回しかこない人もいるでしょう。この記事では、生理周期が短いとき、または長いときに考えられる原因や病院に行く目安を解説します。この機会に自分の生理を振り返ってチェックしてみましょう。
この記事の監修医師
産婦人科クリニック 広尾レディース院長
宗田 聡
正常な生理周期の長さ
25日〜38日の間であれば大丈夫
まず「生理周期」について説明します。生理周期とは、「生理が来た日」から次の生理が来るまでの期間のことです。例えば、1月1日に生理が来て、次の生理が1月31日に来たら、生理周期の長さは30日(1月1日〜1月30日の日数)です。たまに、生理が終わった日から数えている方がいるのでご注意ください。
医学的には、生理周期の長さが25日〜38日の間であれば正常と考えます。仮に生理周期の長さが25日であれば生理が月に2回くることはありますし、35日であれば生理がこない月もあります。「必ず月に1度くる」というわけではないので、月に2回きたり、生理がこない月があったとしても心配しないでください。
心配なときは、生理周期の長さが25日〜38日の間であるかどうかチェックしましょう。
生理周期の長さが変わることもある
ホルモンバランスの乱れから排卵のサイクルがずれ、生理周期が短くなったり長くなったりすることはあります。正常な範囲は25日〜38日の間ではありますが、たまにその範囲より数日長くなったり短くなったりすることがあっても心配はありません。
しかし、毎回のように生理周期が24日以内だったり39日以上だったりするようであれば注意が必要です。
生理周期が短いとき
生理周期が短い「頻発月経」とは
生理周期の長さが24日以内である状態を「頻発月経(ひんぱつげっけい)」と呼びます。
原因としては、女性ホルモンの分泌異常や卵巣機能の低下などが考えられ、ときには排卵がきちんと起こっておらず不妊症につながる可能性もあります。
病院に行く目安
もし何周期も連続して生理周期の長さが24日以内であれば婦人科を受診しましょう。
特に妊娠を希望している方は、早めに受診することをお勧めします。頻発月経の原因には女性ホルモンの働きが不十分な「黄体機能不全」や、排卵がきちんと起こっていない「無排卵周期症」が挙げられ、どちらも不妊症につながるものです。場合によっては、ホルモン剤などによる治療が必要なことがあります。
また、妊娠を希望していないとしても頻発月経の状態が続くようであれば受診するようにしてください。生理の回数が多くなると貧血につながる可能性がありますし、将来的に妊娠を希望する可能性のある方は、早めに不妊のリスクに対してケアしておくことも大切です。
ちなみに、初潮から間もない思春期や、卵巣機能が低下する更年期は頻発月経になりやすいです。そのため、診察をした上で貧血の症状や子宮や卵巣の疾患がなく、また妊娠の希望もなければ経過観察(様子見)になることもあります。
診察内容について
婦人科では、基本的には以下のような診察を行います。
- 問診
- 内診
- 超音波検査
- 採血
問診では、過去の生理周期や体重の変化、ストレスの有無などについて確認します。そして、内診や超音波検査によって子宮や卵巣に病気がないかどうか、採血によってホルモンの分泌に異常がないか検査します。
過去の生理周期についてパッと答えらるか心配な方は、事前に手帳などにメモしておくか、生理管理アプリでチェックできるようにしておくと良いかもしれません。ちなみに、生理管理アプリの「ケアミー」は過去の生理周期がわかりやすく表示されるので、簡単にチェックすることができます。
産婦人科医監修のケアミーはアプリ容量が軽く、会員登録なしで使いはじめられます。広告表示もなくシンプルで使いやすいので、自分の生理周期がどのように変化しているのが気になる方は、ぜひ一度お試しください。
さて、ここまでは生理周期が短い「頻発月経」について解説しました、以下では、その他にも注意すべき生理不順について紹介します。
生理周期が長い・生理がこないとき
生理周期が長い「稀発月経」
生理周期の長さが39日以上(かつ3ヶ月未満)である状態を「稀発月経(きはつげっけい)」と呼びます。
<原因>
稀発月経の原因としては、無排卵周期症や多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)、高プロラクチン血症などが疑われます。どれも不妊症につながるものです。
<受診目安>
もし、生理周期が39日以上かかることが何周期も続いたら、婦人科を受診するようにしてください。
生理が3ヶ月こない「続発性無月経」
生理が3ヶ月以上こない状態を「続発性無月経」と呼びます。
<原因>
続発性無月経の原因は様々ですが、大幅な体重減少や過度なダイエットによる食事制限、思春期特有のストレスなど心理的なもの、または婦人科系の疾患が原因なこともあります。
<受診目安>
生理が3ヶ月以上こないようであれば、放っておかずに婦人科で診てもらうようにしましょう。
なお、生理が遅れているときに考えられる原因や診察内容については「生理が遅れるのはなぜ?生理不順の原因や病院に行く目安について」で詳しく解説しています。よければご覧ください。
以上、この記事では生理周期が短い「頻発月経」や、生理周期が長い「稀発月経」、生理が3ヶ月以上こない「続発性無月経」について解説しました。生理不順は放っておかずに、この記事で紹介した病院に行く目安を参考にして婦人科を受診してくださいね。
参考文献
産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2020 p100-103,日本産科婦人科学会,http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2020.pdf