危険日がいつなのか、避妊に気をつけている人であれば気になると思います。この記事では、危険日がいつなのか分かる「危険日計算カレンダー」や、生理周期や排卵日から危険日を計算する方法をご紹介します。
また、正しい避妊のために注意すべきポイントや、もし避妊失敗の不安があるときにどうしたらいいのかも解説します。妊娠しないように気をつけたい人は、ぜひ最後まで読んでくださいね。
なお、この記事で紹介している生理管理アプリのケアミーは、生理日を入力しておくだけでいつでも危険日をチェックできます。毎月のように妊娠しやすい日を気にしている方は、ダウンロードして使ってみてください。
この記事の監修医師
産婦人科クリニック 広尾レディース院長
宗田 聡
危険日がいつか知る方法
危険日計算カレンダー
妊娠の可能性が高い日がいつなのか知りたい方は、以下の危険日計算カレンダーをご利用ください。前回の生理開始日や平均的な生理周期の長さから、妊娠の可能性が高い日が計算されてカレンダーに表示されます。
前回の生理開始日
生理周期の日数
生理が開始した日から、次の生理が来るまでにかかる平均的な日数を入力してください。生理開始日
妊娠の可能性が高い日
排卵予定日
注意してほしいのは、この危険日計算カレンダーによって表示された「妊娠の可能性が高い日」はあくまで目安であり、それ以外の日付でも妊娠する可能性はあるということです。
「特に避妊に気をつける日を知りたい」という目的なら良いのですが、「避妊しなくても良い日が知りたい」という目的で危険日を計算するのは間違った考え方です。妊娠を避けたいのであれば、どんなときでもコンドームやピルなどを使って避妊するようにしてください。
危険日がわかるアプリ
毎月の妊娠の可能性が高い日を知りたい方は、「生理管理アプリ」を使うと便利かもしれません。
例えば産婦人科医監修の生理管理アプリ「ケアミー」は、登録された生理周期から次の生理予定日や排卵予定日、そして妊娠可能性の高い日が予測されてカレンダーに表示されます。生理周期を記録するにつれて予測精度は高くなり、数ヶ月先の予測まで表示されます。
避妊に気をつけている方にとって、生理管理アプリは妊娠の可能性が高い日を知れる便利なツールです。ケアミーはアプリ容量が軽く、会員登録なしで使いはじめられます。広告表示もなくシンプルで使いやすいので、ぜひ一度お試しください。
危険日と安全日っていつのこと?
危険日と安全日について
性交渉をするにあたり妊娠の可能性が高い日を「危険日」と呼ぶことがありますが、実はこれは医学用語ではありません。妊娠を避けたい人にとって「妊娠の可能性が高い日に性交渉をするのは危険」という考えから、そのような呼び方が生まれたのでしょう。また「安全日」もその逆の考えからだと思いますが、これも医学用語ではありません。
あくまで俗語として使われている呼び方ですから、危険日や安全日がいつなのかという医学的な定義はありません。
では、医学的に考えて「妊娠の可能性が高い日」はいつなのでしょうか。
妊娠しやすいのは排卵が起こる時期
妊娠するには、排卵された卵子と精子が出会い、受精する必要があります。ですから、排卵が起こる時期に性交渉をすれば、妊娠する可能性が高くなります。
排卵が起こるのは「次の生理予定日の14日前頃」を目安として考えてください。身体の仕組みとして、排卵が起こったあとに妊娠しなければ、およそ14日後に生理がくるようになっています。ですから、逆に考えれば「次の生理予定日の14日前頃に排卵が起こる」と言えます。
実際には、生理周期の長さによっては排卵日が生理予定日の15日前だったり、13日前だったり、多少のズレはあります。ですから、あくまで目安として考えてください。
危険日は排卵日だけではない
「では、妊娠しやすい日は次の生理予定日の14日前なの?」と思ったかもしれませんが、そうではありません。
実は、膣や子宮に入った精子は数日間は生き残ります。ですから、排卵日の数日前の性交渉でも妊娠の可能性があるということです。だいたい排卵日の6日前ぐらいから排卵日当日までの1週間ぐらいは妊娠の可能性が高いと考えてください。
そして先ほど説明したように生理周期によっては排卵日が数日ずれることがあります。排卵日がずれることまで考えると、「危険日」と呼ばれる妊娠の可能性が高い期間は「排卵予定日の1週間前から排卵予定日の3日後ぐらい」と考えると良いでしょう。
ちなみに、生理不順の方はそもそも「次の生理予定日」を把握しづらいので、排卵日がいつなのか計算することも難しいです。ですから、やはりどんなときでも妊娠の可能性はあると考えて、しっかり避妊することが大切です。
正しい避妊のために注意すべきポイント
妊娠の可能性が高い「危険日」を知る方法を紹介しましたが、注意していただきたいのは「危険日」に対する考え方です。「危険日以外は避妊に気をつけなくても大丈夫」と考えるのは間違っているので注意するようにしてください。
危険日計算カレンダーや生理管理アプリの多くは、平均的な生理周期の長さから排卵が起こるタイミングの目安を計算し、「危険日」や「妊娠の可能性が高い日」を予測しています。ただ、もし生理周期がいつもよりも1週間長くなったり短くなったりすれば、その生理周期は「危険日」や「妊娠の可能性が高い日」と呼ばれる期間も1週間程度ずれることになります。
ですから、この記事の最初にも書いたように「特に避妊に気をつける日を知りたい」という目的なら良いのですが、「避妊しなくても良い日が知りたい」という目的で危険日を計算するのは間違った考え方です。
どんなタイミングでも妊娠してしまう可能性はありますから、妊娠を望んでいない人は、いつでもしっかりと避妊するようにしてください。
避妊失敗の不安があるときにすべきこと
今この記事を読んでいる方のなかには、避妊に失敗したのではないかと不安になっている方もいるのではないかと思います。以下では、避妊失敗の不安があるときにすべきことを解説します。
アフターピルを服用する
気をつけていたつもりでも、コンドームが外れてしまったり破れてしまったりすることがあります。そのような避妊失敗の不安があるときに、妊娠の可能性を下げるために服用する薬が「アフターピル(緊急避妊薬)」です。
性交渉から72時間以内にアフターピルを服用することで、妊娠の可能性を下げることができます。避妊に失敗したと思ったら、その日から72時間以内に婦人科に行くようにしてください。
アフターピルの値段は病院によっても様々ですが、だいたい1万円前後です。アフターピルは自費になるので、保険はききません。婦人科のホームページを見れば、アフターピルの処方についての案内が書いていることもあるので、事前に値段などをチェックすると良いでしょう。
妊娠検査薬を使う
もし生理予定日を過ぎても生理がこない場合は、妊娠検査薬を使ってチェックする必要があります。
妊娠検査薬を使うタイミングは、生理予定日の1週間後以降で、また性交渉から3週間以上経った時点が目安です。
妊娠すると「hCG」というホルモンが増えて尿に含まれるようになります。妊娠検査薬は、この尿に含まれている「hCG」の濃度を調べられる検査薬です。そして、「hCG」の量が検査薬に反応するぐらい増えるタイミングが性交渉の3週間後です。それよりも早くに妊娠検査薬を使っても、正しく判定できないので気をつけましょう。
まずは生理予定日の1週間後までは生理が来るのを待って、そして性交渉から3週間が経っていれば妊娠検査薬を使うようにしてください。
参考文献
月経について教えて下さい。,公益社団法人日本産婦人科医会,https://www.jaog.or.jp/qa/youth/%e6%9c%88%e7%b5%8c%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e6%95%99%e3%81%88%e3%81%a6%e4%b8%8b%e3%81%95%e3%81%84%e3%80%82/
緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成 28 年度改訂版),日本産科婦人科学会,http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/kinkyuhinin_shishin_H28.pdf